1月10日~2月15日
SOMPO美術館
開館50周年記念 モダンアートの街・新宿
↑松本竣介《立てる像》1942年 油彩/カンヴァス 162.0×130.0cm 神奈川県立近代美術館©上野則宏
↑中段上:中村彝《牛乳瓶のある静物》1912年頃 油彩/カンヴァス33.7×45.7cm 株式会社中村屋 ©上野則宏
→松本竣介《N駅近く》1940年 油彩/カンヴァス 97.0×131.0cm 東京国立近代美術館
↑中村彝《頭蓋骨を持てる自画像》1923年 油彩/カンヴァス 101.0× 71.0cm 公益財団法人大原芸術財 大原美術館
SOMPO美術館会館開館50周年を記念して開催される新宿にスポットを当てて日本の近代美術の歴史を紹介する展覧会である。
紹介するのは、中村彝(つね) 、佐伯祐三、松本竣介 、そして宮脇愛子といった新宿ゆかりの芸術家たち。彼らの約半世紀にわたる軌跡をたどる。
江戸時代には宿場町「内藤新宿」として栄えた新宿であるが、明治以降には人々の移動手段が鉄道へと変わったこともあり、新宿は次第に「新宿駅」を中心に人が集っていった。当時の新宿はそれでもまだみすぼらしい街で場末の雰囲気だったという記録がある。それでもこの街
↑芥川(間所)紗織《女》1954年 染色/綿布 131.0×98.4cm 板橋区立美術館 ↑佐伯祐三《立てる自画像》1924年 油彩/カンヴァス 80.5×54.8cm 大阪中之島美術館

←東郷青児《黒い手袋》1933年 油彩/カンヴァス 119.2×68.2cm SOMPO美術館 ↑清宮質文《深夜の蝋燭》1974年 木版/紙 17.8×15.0cm 茨城県近代美術館 照沼コレクション
、明治末期には将来の発展をこの町にみた相馬愛蔵・黒光夫妻が当初は支店として出店をした新宿中村屋、また、果実問屋 高野商店の看板を掲げた果実専門店、現在の高野フルーツパーラーなどが進出してくる。
本展の構成は4章立てで、まず第一章で取り上げられるのは、彫刻家荻原守衛(碌山)と中村屋サロン。この新宿中村屋には教育者、新宿にアトリエがある画家、彫刻家、そして美術評論家などジャーナリストも集っていた。ここには「中村屋サロン」として前述の荻原守衛(碌山)や中村彝(つね)をはじめとして多くの新進芸術家たちが集まった。そしてこの中村屋サロンが日本の近代美術史におけるルーツの一つになった。
洋画家であった荻原守衛はパリ留学後、彫刻家オーギュスト・ロダンに影響され、彫刻へ転向した彫刻家である。ロダンとの対面を果たし、
その影響を携えて日本に帰る。病弱だったため、帰国から2年後、30歳の若さで没したが、短い活動はその後の彫刻史に大きな足跡を残した。
洋画家中村彝(なかむらつね)も「中村屋サロン」に集った芸術家の一人だ。中村屋に集う作家たちの中心的な存在で、当初店の裏にアトリエを構え、食事の面倒なども創業者の相馬夫妻から面倒を見てもらうなど中村屋との縁が深い。終のすみかを構えた新宿・下落合には、彝を慕う作家たちが集い彝は彼らに影響を与えている。
第二章では、パリと日本を行き来しながら制作活動していた佐伯祐三を中心に紹介している。日本では人気の高い画家である佐伯祐三のアトリエは新宿の下落合にあり、近所にいた洋画家でエッセイストでもあった曽宮一念(そみや いちねん)と知り合い、曽宮を通じて前述の洋画家中村彝とも知り合っている。
↑宮脇愛子《作品(TL11-0)》1962年 油彩・大理石粉/カンヴァス91.0×71.0cm 水戸芸術館
第三章では新宿下落合、目白など中村彝や佐伯祐三をはじめ、画家や文学者などの文化人が暮らし、文士村などとして受け継がれていった新宿周辺に相対して目白に隣接する、こちらも場末の感がある池袋で制作活動した画家たちが紹介されている。1930年代、この一帯にも多くの芸術家が集まり、西池袋、椎名町、千早町、長崎 (豊島区)、南長崎、要町といった現在の豊島区各地にアトリエ村を形成した。これらは池袋モンパルナスと呼ばれた。雑司ヶ谷には文士たちが集った。例えば、1929(昭和4)年に移り住んだ松本竣介、彼と長年活動をともにした靉光 、麻生三郎、鶴岡政男、寺田政明たちは、池袋モンパルナスを代表する作家である。
第四章では、新潟県に生まれ、1971年にローマで亡くなった日本人画家阿部展也(あべ のぶや)と評論家・美術家の瀧口修造のもとに集った作家や写真家、評論家の集まりで実験工房と呼ばれた作家、また阿部に師事した芥川(間所)紗織、宮脇愛子など戦後新しい手法を取り入れていった作家を紹介している。
↑木村荘八《新宿駅》1935年 油彩/カンヴァス 97.5×130.5cm 個人蔵

アートだけでなく、ファッション、飲食店(食文化)、そして路上ライブなどのパフォーマンスの発端も新宿と言われている。様々な文化が入り混じったカオスのような1930年代の街から高層ビル群の街並みが現れた70年代の新宿。時代とともに変化し、21世紀の現在も駅の改装工事などで街の景観が大きく変貌を遂げようとしている。
本展では、その新宿とその周辺にアトリエを構えて活躍した画家たちを街の歴史とともに回顧できる展覧会である。
『開館50周年記念 モダンアートの街・新宿』SOMPO美術館(新宿区・西新宿) 会期:2026年1月10日(土)~2月15日(日) 会場:SOMPO美術館 〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1 開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで) ※最終入場は閉館30分前まで 休館日:月曜日 1月13日(ただし1月12日は開館) 観覧料(税込) 年齢は入場時点 事前購入券 当日券:一般(26歳以上)1,500円 25歳以下 1,100円 高校生以下 無料 ※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳(ミライロIDも可)を提示のご本人とその介助者1名は無料、被爆者健康手帳を提示の方は本人のみ無料 ※25歳以下の方は生年月日が確認できるもの要提示 アクセス:JR新宿駅西口から徒歩5分、東京メトロ新宿駅から徒歩5分、東京メトロ西新宿駅C13出口から徒歩6分、西武新宿線西武新宿駅から徒歩7分、大江戸線都庁前駅A1出口から徒歩7分 SOMPO美術館 〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1 Tel : 050-5541-8600(ハローダイヤル)
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