19世紀から20世紀初頭のパリで活躍したアール・ヌーヴォーを代表する画家ミュシャをイマーシブ(デジタル展示)で取り上げたデジタル展覧会である。
ミュシャのの代表的な、サラ・ベルナールをアイコンとした多くのポスター、装飾パネル、舞台演出、カレンダー等を制作した作品群はアール・ヌーヴォーを代表し、また星、宝石、花(植物)などの様々なモチーフを女性の姿を用いて表現するスタイルや華麗な曲線を多用したデザインは世紀末のパリで大人気を博し、今もなお世界中の人々に愛され、構成の画家たちにも多大な影響を与えてきた。
イマーシブと唄うだけに本展には、ミュシャの作品は一点もない。しかし、広い空間で高さ6mのプロジェクションを駆使し、美しく華やかなポスターが次々に映し出され、また画家の祖国への思いを託した絵画作品が高解像度映像と音楽で蘇り、まるで絵の中に引き込まれていくような体感ができるのは新鮮である。
この空間展示を通してアール・ヌーヴォーの巨匠が残した作品群に光を当てるというもの。
展覧会構成は、『第1章ミュシャ:アイコン/1900年/ユートピア』、『第2章ヒストリ』、『第3章ミュシャのアトリエ』、『第4章ミュシャのインスピレーション』、『第5章インフルエンサー、ミュシャ』の5章。オーストリア帝国領モラヴィアのイヴァンチツェに生まれたミュシャはウィーン、ミュンヘンをへてパリに出て、1895年の出世作舞台女優サラ・ベルナールの芝居のために作成した『ジスモンダ』 のポスターで一躍有名になる。その後も舞台演出や宣伝ポスター、挿絵、カレンダーほか印刷物から万博のボスニア・ヘルツェゴヴィナ館の装飾などで成功を収めていった過程、祖国チェコへの思いを託して描いた連作『スラヴ叙事詩』ほか、迫力ある映像の紹介だけではなく、ミュシャの人生と後の世界に与えた影響を学術的な視点で紹介されている。
日本でも大作は目にする機会が少ないミュシャの作品をこのように空間で堪能する新感覚の没⼊体験型展覧会、これからの新しい展覧会となるだろう。
『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』ヒカリエホール(渋谷区・渋谷) 開催期間:2024年12月3日(火)~2025年1月19日 休館日:12月19日(木)、1月1日(水・祝) 開場時間:11:00~20:00(最終入場は19:30まで)※12月31日(火)のみ18:00まで(最終入場は17:30まで) 会場:ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)東京都渋谷区渋谷2-21-1
入場料(税込):平日一般2900円、平日大学・高校生2000円、平日中学・小学生1200円、(土日祝)一般3300円 (土日祝)大学・高校生2400円(土日祝)中学・小学生1500円 ※未就学児は入場無料。保護者の同伴が必要。
※学生券(小学生は除く)の場合は、学生証の提示を。※障がい者手帳の提示で本人と付き添いの方1名は半額。【平日】一般1450円、大学・高校生1000円、中学・小学生600円、【土日祝】一般1,650円、大学・高校生1,200円、中学・小学生750円 当日窓口にて購入を。
アクセス:JR線・京王井の頭線「渋谷駅」と2階連絡通路で直結、東京メトロ銀座線「渋谷駅」と1階で直結、東急東横線・田園都市線・東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」B5出口と直結 主催:Bunkamura、グラン・パレ・イマーシブ、ミュシャ財団、テレビ東京、日本経済新聞社、BSテレビ東京 協賛・協力等:[後援]在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、チェコ共和国大使館、チェコセンター東京、J-WAVE 協力:テモアン 問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル) 公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/24_much ※会期中すべての日程で【オンラインによる事前予約】が可能。
予約なしでも入場できますが、混雑時にはお待ちいただく場合あり。