↑アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《エルドラド、アリスティド・ブリュアン》、1892年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵
→アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ジャヌ・アヴリル(ジャルダン・ド・パリ)》、1893年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵
↑アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メイ・ミルトン》、1895年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵
2024年11月に三菱一号館美術館リニューアルオープンを記念して開催されるのは、再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」。美術館所蔵作品のなかから19世紀末のパリで活躍したアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)の作品と現代フランスを代表する美術家ソフィ・カルとの協働で開催される。同氏は、美術館のコレクションの中からオディロン・ルドンの《グラン・ブーケ(大きな花束)》に着想を得て制作し、今回その新たに寄贈された作品が世界初公開される。また同氏は長年にわたり「喪失」や「不在」について→アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ジャヌ・アヴリル(ジャルダン・ド・パリ)》、1893年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵
↑アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メイ・ミルトン》、1895年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵
↑アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《54号室の女船客》、1896年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵
考察を巡らせてきたことから今回の協働では、「不在」という主題を打ち出した。一方トゥールーズ=ロートレックは「不在」と表裏一体の関係にある「存在」について「人間だけが存在する。
風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない。」という言葉を残している。これは、1897年の旅行中、フランス南部アンボワーズの風景に感動していた同行者に対して発せられた言葉であるが、トゥールーズ=ロートレックは、生涯にわたって人間を凝視し、その心理にまで踏み込んで、「存在」自体に迫る作品を描いている。本展では、トゥールーズ=ロートレックの作品のなかでも版画・ポスターの表現にスポットを当てて、美術館のコレクションを中心にフランス国立図書館所蔵のトゥールーズ=ロートレック作品と併せて紹介する。そしてフランスを代表する現代アーティストのソフィ・カル(1953- )が当館のコレクションのオディロン・
↑アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《『彼女たち』 行水の女―たらい》、1896年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵
ルドンの《グラン・ブーケ(大きな花束)》
に着想を得て制作し、当館に新たに寄贈した作品が初公開される。画家も彼が描いた人々も今や「不在」となり、今ではその作品のみが「存在」している。ソフィ・カルが投げかけた「不在」という主題を通して改めて、当事者が関わることができない展覧会や美術館活動の「存在」について考える展覧会である。この現代アーティストと美術館の協働というプロジェクトは、2020年の開館10周年記念展として企画されたが、コロナの流行ために延期され、今回に持ち越されることとなった。 『再開館記念「不在」 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』三菱一号館美術館(千代田区・丸の内) 会期:2024年11月23日(土)~2025年1月26日(日) 開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は20時まで)※入館は閉館の30分前まで ※年末年始の開館時間は美術館サイト、SNS等でご確認を。休館日:月曜日、 年末年始[12月31日と1月1日] ※トークフリーデーの11月25日・12月30日と1月13日・20日は開館 会場:三菱一号館美術館 観覧料金:一般2300円、学生1300円、高校1000円、小・中学生無料 ※価格はすべて税込※障がい者手帳をお持ちの方は半額、付添の方1名まで無料 ※前売りチケットほか、お得なチケットの詳細は美術館のチケット情報でご確認を。●本展チケットで併せて、小展示「坂本繁二郎とフランス」も観覧可 主催:三菱一号館美術館 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、協賛:DNP 大日本印刷 協力:日本航空、ヤマト運輸 三菱一号館美術館HP:https://mimt.jp/ 展覧会特設サイト→