↑ 重要文化財 百草蒔絵薬箪笥蓋裏(部分)飯塚桃葉作日本・江戸時代 明和8年(1771) 根津美術館蔵
→衆芳画譜 薬草第二 日本・江戸時代 18世紀 高松松平家歴史資料(香川県立ミュージアム保管)
→百草薬箪笥抽斗(ホ)内容と目録
↓重要文化財百草蒔絵薬箪笥および内容品飯塚桃葉作日本・江戸時代 明和8年(1771) 根津美術館蔵↑重要文化財百草蒔絵薬箪笥および内容品・展示風景
↓ 大阪府指定有形文化財 木村蒹葭堂貝類標本 日本・江戸時代 18世紀 大阪市立自然史博物館蔵→炭道具一式 呉須赤絵中丸香合 根津美術館像
根津美術館美術館の初冬の展覧会は、新たに国の重要文化財に指定された所蔵作品の「百草蒔絵薬箪笥 (ひゃくそうまきえくすりだんす)」を中心に紹介する。「百草蒔絵薬箪笥」はその名のとおり、薬箪笥であり、銘から明和8年(1771年)11月に徳島藩のお抱え画師である飯塚桃葉(いいづかとうよう)の作であることがわかっている。箪笥の表や内部の抽斗の全面には寄裂(よせぎれ)風の文様が施され、繊細な金具が要所に取付けられた豪華な作品である。
→衆芳画譜 薬草第二 日本・江戸時代 18世紀 高松松平家歴史資料(香川県立ミュージアム保管)
→百草薬箪笥抽斗(ホ)内容と目録
↓重要文化財百草蒔絵薬箪笥および内容品飯塚桃葉作日本・江戸時代 明和8年(1771) 根津美術館蔵↑重要文化財百草蒔絵薬箪笥および内容品・展示風景
↓ 大阪府指定有形文化財 木村蒹葭堂貝類標本 日本・江戸時代 18世紀 大阪市立自然史博物館蔵→炭道具一式 呉須赤絵中丸香合 根津美術館像
↑徳島県指定文化財 波涛蒔絵鞍 飯塚桃葉作 日本・江戸時代 天明元年(1781)頃 個人蔵
↓展示風景
↑帝釈天立像 定慶作 木造彩色 日本・鎌倉時代 建仁元年
特徴は薬箪笥にふさわしく蓋の裏に100種の草や昆虫がその名称とともに精緻な研出蒔絵(とぎだしまきえ)で表現されている。蒔絵史や薬学史などを含めた様々な観点から貴重な作例であることにより、今回重要文化財に指定されたのである。この見事な薬箪笥は何のために創られたのか、飯塚桃葉を召し抱えた蜂須賀重喜公のために創られたと考えられてきたが、当時の蜂須賀家や博物図譜などから蜂須賀家と関係が深い高松藩主・松平家への贈答用に制作されたことも浮かび上がっている。↓展示風景
↑帝釈天立像 定慶作 木造彩色 日本・鎌倉時代 建仁元年
展覧会の構成をまず第一章 桃葉とは何者か、第二章「百草蒔絵薬箪笥」のすべて、第三章「百草蒔絵薬箪笥」の制作背景、第四章 博物図譜の広がり、そして第五章の自然を写す蒔絵の5章で桃葉を召し抱えた徳島藩の動向や制作背景、18世紀後半の日本の博物学と美術などを探りながら飯塚桃葉の代表作を紹介展示する。桃葉の代表作が集結した初めての展覧会となった。
同時開催で展示室3では「仏教美術の魅力―鎌倉時代初期の仏像」と題して力強い鎌倉時代初期の作風の仏像、木彫仏3体が紹介されている。
展示室5では、花と鳥たちの楽園と題して親しみやすい中国と日本の花鳥画の紹介。貴重な花鳥画の中に素晴らしい細工の『金銀緑松石象嵌家紋帯鉤(きんぎんりょくしょうせきぞうがんかもんたいこう)』と称される帯留め金具が並んでいる。 こちらは細工や見事な意匠が必見。
そして茶道具が展示されている展示室6では、この季節にふさわしく『炉開きの茶会』と題して冬を迎えるために最初に炉を開く寿ぎの茶会にちなみ、今回は炭道具をはじめとした茶道具が展示されている。
飯塚 桃葉(いいづか とうよう:生没年不詳):江戸時代中期から後期に活躍した蒔絵師。印籠蒔絵師として知られた名工で宝暦14年(1764)に徳島藩主蜂須賀重喜に召し抱えられた。
研出:蒔絵の基本的技法の一つ。 絵漆で文様を描き、金属粉や色粉を蒔(ま)きつけ、一たん乾燥させてからさらに漆を塗り、木炭で研ぎ、みがいて仕上げる。 『重要文化財指定記念特別展 百草蒔絵薬箪笥と飯塚桃葉』 根津美術館(港区・南青山) 開催期間:2024年11月2日(土)~12月8日(日) 開館時間:10:00~17:00 休館日:毎週月曜日、11月5日(火)。※11月4日(月・振休)は開館。 開催場所:根津美術館 展示室1・2 入場料:オンライン日時指定予約:美術館ホームページより日時指定券を購入可。入館料:一般1500円 学生1200円 *障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料 アクセス:地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線〈表参道〉駅下車A5出口(階段)より徒歩8分、B4 出口(階段とエスカレータ)より徒歩10分、B3 出口(エレベータまたはエスカレータ)より徒歩10分 主催:根津美術館 〒107‐0062 東京都港区南青山 6‐5‐1 Tel. 03-3400-2536(代表) 問い合わせ: 美術館公式サイト:https://www.nezu-muse.or.jp