↑ポスター画像
→ジュール・シェレ《ムーラン・ルージュ》1889年デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵© Christopher Fay
↓テオフィル=アレクサンドル・スタンラン《シャ・ノワール》1896年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵© Stéphane Pons↑アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ブリュアンはモンマルトルに戻り『オ・バ・ダフ』を歌う》1893年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
©Stéphane Pons
「ベル・エポック」とは19世紀末から1914年頃までのパリが芸術的にもっとも華やいだ時代。その文化を回顧した呼称である。→ジュール・シェレ《ムーラン・ルージュ》1889年デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵© Christopher Fay
↓テオフィル=アレクサンドル・スタンラン《シャ・ノワール》1896年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵© Stéphane Pons↑アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ブリュアンはモンマルトルに戻り『オ・バ・ダフ』を歌う》1893年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
©Stéphane Pons
本展では、ベル・エポック期(19世紀末)から1930年代に至る時代の美術、工芸、舞台、音楽、文学、モード、科学といったあらゆるジャンルで花開いた文化をタイトルのとおりワイズマン&マイケル コレクションを中心に多角的に紹介する。近代的な都市に生まれ変わりつつ、第一次世界大戦前夜のこのパリのデカダンスな雰囲気を愛し、回顧する人は多い。
展覧会の構成はまず、『第1章 古き良き時代のパリ ‒街と人々』、ここでは普仏戦争とパリ・コミューン後に訪れた平和と政治的に安定した時代に変貌を遂げたパリの街を取り上げた。当時の暮らしを伝える絵画作品のほか、女性や子どもたちが身に纏った服飾品、室内を飾ったマイセンやアール・ヌーヴォーの工芸作品などとともに豊かな社会の影で生きる人々を見つめた芸術家たちの作品を紹介。
『第2章 総合芸術が開花するパリ』では、ナポレオン3世が進めた都市整備事業(パリ大改造)でパリを追われた市民たちが移住した街のひとつモンマルトルを取り上げている。ここには、新興のキャバレーやダンスホール、カフェ・コンセールが立ち並び、夜な夜な歌やダンス、大道芸が供される歓楽街として賑わっていた。このキャバレーやダンスホール、カフェには
↑ピエール=オーギュスト・ルノワール《帽子を被った二人の少女》
1890年頃 パナソニック ホールディングス株式会社蔵
←アルフォンス・ミュシャ《サラ・ベルナール》1896年 堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市)蔵[展示期間:10/5~11/ 12]
←エミール・ガレ《ししうど文ランプ》 1907-1914年頃 株式会社神谷美術蔵
↑アンリ・ドトゥーシュ《サロン・デ・サン》1896年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
© Christopher Fay
←ルネ・ラリック 《ペンダント「白鳥」》 1897-1899年頃 箱根ラリック美術館蔵
近くにアトリエを構えた画家たちも集い、ここは格好の題材となった。そして美術だけではなく文芸、音楽、演劇などに携わる多彩なアーティストたちがジャンルを超えて交わるベル・エポックを象徴する場所になった。そして『第3章 華麗なるエンターテイメント 劇場の誘惑』では、モンマルトルをエンターテイメントの中心地に押し上げた劇場を取り上げている。自然主義演劇を多く上演したテアトル・リーブル(自由劇場)では、エミール・ゾラの小説に基づいた演劇やノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンの近代演劇の作品が上演されていた。そのため上演目録用の挿絵や舞台装飾には様々な芸術家が関わり、モンマルトルを中心にしたコラボレーションが生まれたのである。また、人々に夢を与えるサーカスの存在も芸術家たちを惹き付け、出し物や出演者たちをモチーフにした多くのアート作品が残された。ミュージックホールフォリー・ベルジェールで披露された最新の科学技術(当時)である電気照明を駆使した幻想的なロイ・フラーのダンスも芸術家の題材に絵画に取り入れられている。←アルフォンス・ミュシャ《サラ・ベルナール》1896年 堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市)蔵[展示期間:10/5~11/ 12]
←エミール・ガレ《ししうど文ランプ》 1907-1914年頃 株式会社神谷美術蔵
↑アンリ・ドトゥーシュ《サロン・デ・サン》1896年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
© Christopher Fay
←ルネ・ラリック 《ペンダント「白鳥」》 1897-1899年頃 箱根ラリック美術館蔵
最後の『第4章 女性たちが活躍する時代へ』では、パリで高まりを見せた世紀末のフェミニズム運動を紹介。そこには社会的、精神的な自立を目指す女性、医師や弁護士の資格を取得する女性たちが登場した。この章では、ポーランドからパリに来たノーベル賞受賞の物理学者のマリー・キュリー、女流画家のメアリー・カサット、シュザンヌ・ヴァラドン、舞台女優ではミュシャのポス
↑シュザンヌ・ヴァラドン《フルーツ鉢》1917年 デイヴィッド・ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵 © Christopher Fay
ターに描かれたサラ・ベルナールなど華やかに活躍した女性を取り上げる。同時に時代の流れに合わせて流行したファッションや装飾美術やアール・デコ期の服飾作品や一世を風靡したルネ・ラリックの作品も展示。いつもフランスの中心で人々の憧れる街、洗練されて文化の中心にあったパリ、そのパリの一番華やかで『ベル・エポック』と称された時代を作品で展観し、当時を思い描く展覧会である。
『ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケル コレクションを中心に』 パナソニック汐留美術館(港区・東新橋) 開催期間:2024年10月5日(土)~ 12月15日(日) 休館日:水曜日(ただし12月11日(水)は開館)開館時間:10:00~18:00まで※入館は17:30まで※11月1日(金)、22日(金)、29日(金)、12月6日(金)、13日(金)、14日(土)は夜間開館を実施。※20:00まで開館/入館は19:30まで 入館料:一般1200円、65歳以上1100円、大学生・高校生700円、中学生以下無料 ※オンライン予約→こちらから※ウェブサイト割引あり→https://panasonic.co.jp/ew/museum/discount/※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料 会場:パナソニック汐留美術館 〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階 交通アクセス:JR「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・ 都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩約6分、 都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分 主催:パナソニック汐留美術館、毎日新聞社 お問い合わせ:☎050-5541-8600(ハローダイヤル) 美術館公式HP:https://panasonic.co.jp/ew/museum/