↑オーギュスト・ルノワール《ピアノを弾く少女たち》1892年頃、油彩・カンヴァス、116×81 cm
→シャイム・スーティン《小さな菓子職人》1922-23年、油彩・カンヴァス、73×54cm↑アメデオ・モディリアーニ《アントニア》1915年頃、油彩・カンヴァス、82×46cm
オランジュリー美術館は、パリ1区のセーヌ川岸、コンコルド広場の隣に位置するテュイルリー公園内に建つ美術館である。広場を望む2つのパヴィリオンのうちの一つで、もとはテュイルリー宮殿のその名の通りオレンジの温室(オランジュリー)だったが、1920年代にモネが国に寄贈した「睡蓮」の大型連作を飾るために整備された美術館。外光のもとで鑑賞できる場所として選ばれ、二つの楕円形の展示室が作られたのである。
このオランジェリー美術館には、その有名なモネの『睡蓮』の連作を目当てに訪れて魅了される人も多いが、この美術館が所蔵する印象派とエコール・ド・パリの作品群は
ヨーロッパ最高の絵画コレクションのひとつと言われている。
このコレクションは、画商でコレクターであったポール・ギヨームと没後にそれを引き継いだ建築家のジャン・ヴァルテルが形成したコレクションで、1970年からこのオランジェリー美術館でモネの睡蓮とともに常設展示されている。
横浜美術館開館30周年を記念して今回開催された本展覧会は、このオランジュリー美術館のポール・ギヨームとジャン・ヴァルテルコレクションから、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソ、モディリアーニなど、パリを愛
↑アンリ・ルソー《婚礼》1905年頃、油彩・カンヴァス、163×114cm
←マリー・ローランサン《マドモアゼル・シャネルの肖像》1923年、油彩・カンヴァス、92×73cm
した画家たちの名作約70点が紹介されている。
画商としてのポール・ギョームの活動は、20世紀初頭のパリにおいては革新的で他の画商とは一線を画したものだ。まだ知名度が低い画家の発掘だけでなく、パリにおいてアフリカ美術市場の開拓や画家の育成と親密な関係を確立した。画家以外に詩人、音楽
家、評論家などを招いたパーティで築いたネットワークでヨーロッパに於いて名を馳せる質の高いコレクションを形成したのである。例えば、モディリアーニ、初期のユトリロ、キリコ、ドラン 、ルソーなどの貴重な作品群。モディリアーニのほとんどの作品はギョームが取り扱ったものであり、初期のユトリロ作品はギョームによって見出された。現在は美術館には残っていないが、シュルレアリスムに大きな影響を与えたキリコの作品を最初に扱ったのも彼である。絵画評論、作品情報公開などパリ以外にも活動を広げ、ロンドンにも画廊を開設。アメリカのバーンズコレクションの形成を助けたのもギョームの功績によるもの。 見どころは、19世紀末から20世紀前半のパリを代表する画家たちの作品群。ポスターを飾ったルノワールの傑作《ピアノを弾く少女たち》は、晩年までルノワールのアトリエに置かれていたもので画家の死後、ギョームが蒐集した。このルノワールを含めパリで新しい絵画表現の探究に魂を捧げたほか13人の画家の作品は、19世紀末から20世紀前半というフランス近代美術を象徴するものである。画家たちのプロフィール、作品が展示されていた当時のギョームの邸宅の様子とともに19世紀末のパリの雰囲気が存分に味わえる。近年は展覧会にちなんだ音楽も楽しめる音声ガイド(有料)が美術館に用意されているが、本展覧会でも主な作品や画家や街のエピソードや関連する音楽が絵を鑑賞する助けになりお薦めである。
↑画像左から ポール・セザンヌ《りんごとビスケット》1879-80年頃、油彩・カンヴァス、45×55cm ↑クロード・モネ《アルジャントゥイユ》1875年、油彩・カンヴァス、56×67cm ↑アルフレッド・シスレー《モンビュイソンからルヴシエンヌへの道》1875年、油彩・カンヴァス、46×61cm ↑モーリス・ユトリロ《サン=ピエール教会》1914年、油彩・補強した厚紙、76× 105cm  ※画像はすべてPhoto © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
『オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち』横浜美術館(横浜市・西区) 会期:横会期2019年9月21日(土)〜2020年1月13日(月・祝)〒220-0012 横浜市西区みなとみらい3-4-1 会期:2019年9月21日(土)〜2020年1月13日(月・祝) 休館日:毎週木曜日(12月26日は開館)、2019年12月28日(土)~2020年1月2日(木) 開館時間:10:00〜18:00 ※会期中の金曜・土曜は20:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで  ※9月27日〜28日、1月10日〜12日は21:00まで  観覧料金:一般1700円 大学・高校生1200円 中学生700円 アクセス:みなとみらい線(東急東横線直通) みなとみらい駅3番出口から徒歩3分 JR線・横浜市営地下鉄線 桜木町駅から「動く歩道」を利用 徒歩10分 主催 横浜美術館、オルセー・オランジュリー美術館、読売新聞社、テレビ朝日