
江戸時代は、狂歌や滑稽本、落語など庶民が楽しめる文化が花開き、人々に「笑い」をもたらす「笑いの種」が花開いた時代である。北斎と門人たちも多くの作品に「笑い」の描写を散りばめている。笑顔や照れ笑い、怪しげな笑いなど、巷にあふれる多様な笑いの表情や仕草、また笑いが生みだす状況を巧に捉えて描き、その見事な表現は見る人を驚嘆させる。特に北斎は、あらゆるジャンルの作品を描いているが、笑いを誘う作品も戯画シリーズとして描いて残している。
本展では、北斎と門人たちが描いた笑いにまつわる作品の数々を「1章 笑顔いろいろ」、「2章多種多様な笑い」、「3章 北斎と門人が描く戯画の世界」の章立てで紹介。七福神や万歳、 笑いを生み出す戯作者、狂歌師などの江戸庶民の文化や江戸の人々に見る笑いの表現から種類、そして戯画、日本の笑いの種類までていねいに紹介されている。特に3章2節で紹介されている北斎の「戯画シリーズ」には、北斎が日常に溢れる笑いをよく捉え、その巧みな描写で描き出された江戸のと風俗に日本だけでなく、世界の人々が魅了された。会場で笑いをもらって心を軽くするのもいいのではないだろうか。





