↑《月世界旅行》1981年
→《無題》1983年頃
→《いつもとちがう(雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙 原画》1976年
↓《グリーンピース 深い深い問題》1988年 ↑《無題》
→《『世界人権宣言』表紙 原画》1988年
※画像はすべてフォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
20世紀後半のベルギーを代表するアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)の回顧展。フォロンはベルギー・ブリュッセルに生まれ、若き日に出会ったマグリットの壁画に感銘を受けて絵画の世界に飛び込んだアーティストである。建築を学んだ後、1955年にはパリへ移住し、方向を変えて絵を描く日々が続くが、すぐに芽は出なかった。1960年頃『ザ・ニューヨーカー』、『タイム』などの有力誌で注目され、1960年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになり、企業の宣伝のためのグラフィックデザインやミラノ・トリエンナーレのフランス間の壁画作成などにも活動の場を広げた。その後も次々とヴェネツィア・ビエンナーレ、サンパウロヒエンナーレへのベルギー代表としての参加、1969年のニューヨークでの初個展を皮切りに各国美術館での個展開催などで世界的にも知名度が高まる。→《無題》1983年頃
→《いつもとちがう(雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙 原画》1976年
↓《グリーンピース 深い深い問題》1988年 ↑《無題》
→《『世界人権宣言』表紙 原画》1988年
※画像はすべてフォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
日本では1985年と1994年には東京、大阪、神奈川ほかで巡回展が開催されている。記憶に新しい人もいるのではないだろうか。 評価の高いフォロンの活動は、版画、水彩画、ポスター
↑《Lettera 32 すべての人にオリベッティを》1967年
そして本の挿絵や舞台美術、彫刻までと多岐にわたっているが、グラフィック作品の魅力の一つは、その美しい色彩だ。1点の作品に使われる色数はそれほど多くはないが、限られた色を画家の感性で組み合わせ、グラデーションや滲み、暈しのテクニックを駆使して美しい作品に仕上げている。そしてもう一つの特徴は線。デビューまでにひたすらドローイングに打ち込んでいたという画家の描く線は実に伸びやかで魅力的である。美しいだけではなく、それら作品には環境破壊や人権問題など現実への辛辣な告発が見え隠れする。孤独や不安の感情も↑《無題》
感じ取れる。本展では展覧会構成をプロローグ 旅のはじまり、第1章 あっち・こっち・どっち?第2章 なにが聴こえる?、第3章 なにを話そう?、エピローグ つぎはどこへ行こうの5章で初期のドローイングから水 彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品まで約230点が紹介する。日本では30年ぶりの大回顧展となった。デジタル化やパンデミック、戦争と社会的に 世界的に大きな問題を抱える現代、環境や自由への高い意識で抑圧や暴力、差別などに静かに抗議を続けてきたフォロン。画家の活動を展観する展覧会である。 『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』東京ステーションギャラリー(千代田区・丸の内)会期:2024年7月13日(土) ~ 9月23日(月) 休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日/ただし会期最終週、ゴールデンウィーク・お盆期間中の月曜日は開館)、年末年始、展示替期間 開館時間:10:00~18:00(金曜日~20:00)*入館は閉館30分前まで 入館料:一般(当日)1,500円 高校・大学生(当日)1,300円 *中学生以下無料*前売期間は2024年6月1日から7月12日まで、オンラインチケットで販売*障がい者手帳等持参の方は入館料から200円引き(介添者1名は無料)*学生の方は入館の際、生徒手帳・学生証を要提示オンラインチケット:https://www.e-tix.jp/ejrcf_gallery/ 東京ステーションギャラリー1階入口 *事前にオンラインチケットを購入いただくと入館がスムーズに *サービス券や会員証の提示で割引希望の方は、美術館でチケットを購入を。※混雑時は入館をお待ちいただく場合があります。主催:東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、東京新聞、フォロン財団(ベルギー) 後援:ベルギー王国大使館 特別協力:ベルギー王国フランス語共同体政府 国際交流振興庁(WBI)協賛:T&D保険グループ