

尾形光琳の国宝《燕子花図屏風》は総金地のバックに濃淡の群青と緑青の絵の具で描きこまれたカキツバタの群生。左右隻の対照と均衛を図りながら配置されたカキツバタの花が意匠的な構図になっている。円山応挙の《藤花図屏風》は、付立ての手法で描かれた藤の幹や枝が一見ラフに見えるが墨の濃淡で立体感を出している。一方の藤の花房は白、青、そして紫の絵の具を重ねてまるで西洋絵画の印象派の様な表現になっている。鈴木其一の《夏秋渓流図屏風》は金地のバックに檜の林に

テーマ展示では、展示室3で『仏教美術の魅力―中国の小金銅仏―』と題して銅を用いて造られた小型の金銅仏を紹介。仏教の伝播に伴い盛んに造像された金銅仏。

→釈迦多宝二仏並坐像 中国・北魏時代 太和13年(489)根津美術館蔵

展示室6では、季節の茶事、葉道具の紹介で、今季は『若葉どきの茶』をテーマに茶道具を紹介。初夏の若葉の美しい時期、茶の湯では道具が夏向きに変わる。さわやかなこの季節に合わせた茶道具約20件を取り合せる。
●付立て(つきたて):円山派・四条派に多く見られる日本画の技法の一。輪郭を用いず、濃淡2種の墨または絵の具を同時に含ませた筆で一気に描き、陰影や立体感を表すもの。


↓重要文化財 夏秋渓流図屏風 鈴木其一筆日本・江戸時代 19世紀根津美術館蔵




美術館の夜間開館:5月5日~11日まで19:00まで美術館が開館する。昼間とは違う雰囲気を醸し出す夜の美術館。展覧会と併せて日没まで庭園散策も楽しめるからこちらもおすすめである。






