3月26日〜6月26日
SOMPO美術館
シダネルとマルタン展 ―最後の印象派、二大巨匠―
↑アンリ・マルタン 《腰掛ける少女》 1904年以前 油彩/カンヴァス 96.4×56.5cm ランス美術館 Inv. 907.19.165 ©C. Devleeschauwer

→アンリ・マルタン 《マルケロルの池》 1910-1920年頃 油彩/カンヴァス 81.5×100.5cm フランス、ピエール・バスティドウ・コレクション ©Galerie Alexis Pentcheff

→アンリ・マルタン 《二番草》 1910年 油彩/板 69×100cm フランス、個人蔵 ©Archives photographiques Maket Expert
1870年代、フランス近代絵画は色彩の視覚的効果をそのままとらえようとする絵画技法に席巻された。それは美術運動となりイズムとなった。印象主義である。この運動の主な特色は、戸外での制作、固有色の否定、色調の分割、色彩は光によって生まれるなどの考え方に基づいていた。1880年代に入ると科学的研究に基づく色調、光学的な理論により絵画技法はさらに突き詰められ、新印象主義となる。印象主義、新印象主義はのちに未来派、表現主義、ダダイズム、シュルレアリスムなど多様な芸術運動を生み出す母体となった。しかしこうした潮流とは別に“もうひとつの本流”に棹さした画家たちがいた。
↑アンリ・ル・シダネル 《エタプル、砂地の上》 1888年 油彩/カンヴァス 46×60.5cm フランス、個人蔵 ©Bonhams↑アンリ・ル・シダネル 《ヴェルサイユ、月夜》 1929年 油彩/カンヴァス 95×116cm フランス、個人蔵 ©Yves Le Sidaner
↑アンリ・ル・シダネル 《ジェルブロワ、テラスの食卓》 1930年 油彩/カンヴァス 100×81cm フランス、個人蔵 ©Luc Paris
その代表格がシダネルとマルタンである。印象主義を継承し、穏やかで神秘的な光の表現を展開したその画業は「最後の印象派」と呼ばれる。これまで時代の寵児たちの陰に隠れていたが、近年、フランス本国を中心に再評価の気運が
高まってきている。
本展はこのアンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタンの画業に焦点をあてた日本初の展覧会である。新印象主義、象徴主義など同時代の絵画技法を吸収してさらに独自の画風を確立した二人は幻想的な主題、牧歌的な風景、日常生活の情景などを静謐に描いた。二人はパリでの修業後、シダネルは10代を過ごしたフランス北部のダンケルクへ、マルタンは生まれ故郷の南仏のトゥールーズに拠点を移し、それぞれ異なった光の表現を追い求めた。
展示は、第1章:エタプルのアンリ・ル・シダネル、第2章:象徴主義、第3章:習作の旅、第4章:アンリ・マルタンの大装飾画のための習作、第5章:ジェルブロワのアンリ・ル・シダネル、第6章:ラバスティド・デュ・ヴェールのアンリ・マルタン、第7章:ヴェルサイユのアンリ・ル・シダネル、第8章:コリウールとサン・シル・ラポピーのアンリ・マルタン、第9章:家族と友人の肖像の9章からなる展開。世紀末からモダニズムへ至るベル・エポック期に、独自の絵画世界を展開した二人の画業を、約70点の油彩・素描・版画を通してたどる。

アンリ・マルタン (1860 -1943) トゥールーズに生まれ、同地の美術学校で学んだのち、パリの国立美術学校で ジャン=ポール・ローランスに学ぶ。ラバスティド・デュ・ヴェールなど南仏各地を活動拠点とし、明るい陽光のもと風景や 人物像を象徴主義的な雰囲気のなかに描いた。「最後の印象派」の一人とされる。 大画面の装飾画にも優れ、パリの国務院 をはじめとする多くの公共建築の壁画を手がけた。1881年から1939年までフランス芸術家協会サロンに出品するかたわら、1900年の新協会創設にも携わり、1922年まで出品を続ける。1917年にフランス学士院会員に選出され、のちに、シダネルの会員選出の後押もした。(展覧会HPより)

アンリ・ル・シダネル (1862 -1939)インド洋モーリシャス島に生まれ、フランス北部のダンケルクで育つ。パリの国立美 術学校でアレクサンドル・カバネルに学んだのち、エタプルやジェルブロワなど北部に移り、身近なものを情感豊かに描いた。「最後の印象派」の一人とされる。1887年から1893年まで出品していたフランス芸術家協会サロンで、1891年、マルタンと出会う。1894 年に国民美術協会サロンに移り、1922年まで出品を続けながら、1900年にはマルタンと共に新協会(ソシエテ・ヌーヴェル、正式名称「画家彫刻家新協会」)の創設に加わり、中心的メンバーとして活躍する。1930 年、フランス学士院会員に選出、1937年には会長に就任した。(展覧会HPより)
『シダネルとマルタン展 ―最後の印象派、二大巨匠―』 SOMPO美術館(新宿区・西新宿) 会期:2022年3月26日(土)~6月26日(日) 会場:SOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1-26-1) 開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで) 休館日:毎週月曜 入館料:一般1600円 大学生1100円 高校生以下無料 ※団体券の販売なし。※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳所持の方は本人と付添の方1名は無料。被爆者健康手帳をお持ちの方は本人のみ無料。受付で要手帳提示。 交通:JR・京王線・小田急線新宿駅から徒歩5分/西武新宿線西武新宿駅から徒歩7分/東京メトロ丸ノ内線新宿駅から徒歩5分、同線西新宿駅C13出口から徒歩6分/都営大江戸線都庁前駅A1出口から徒歩7分 問合せ:☎050-5541-8600(ハローダイヤル) 主催:SOMPO美術館、朝日新聞社 協賛:損保ジャパン 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、新宿区 協力:日本航空 企画協力:ブレーントラスト 美術館サイト:https://www.sompo-museum.org/
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