↑ 卑弥呼(3世紀前半頃)の食卓の再現模型。季節は春の想定で、炊き込みご飯、マダイの塩焼き、サトイモ、タケノコ、豚肉の煮物など贅沢な内容。大阪府立弥生文化博物館蔵


→品種改良による大きさや形の多様性を全国20種以上のダイコンを例に紹介。写真は東北地方の多彩な地ダイコン。画像提供:東北大学農学部非常勤講師 佐々木寿

↑ 平城京の長屋王邸宅跡から出土した木簡をもとに再現した宴会料理/エビ、タコ、ナス、タケノコ、フキ、牛乳など、食材は現在に通じるものが多い。手前の小さい器は塩などの調味料で、各自で味をつけた。奥村彪生監修 奈良文化財研究所蔵

→料理屋番付。江戸時代後期になると料理に関する番付や、一般向けの料理書も多く登場する。東京家政学院大学附属図書館大江文庫蔵
現在世界的にも関心が高まっている和食。それが2013年12月「和食;日本人の伝統的な食文化」としてユネスコ無形文化遺産に登録された。ひと言に“和食”といい“日本人の伝統的な食文化”といってもそれが何なのか、全容を捉えることは難しい。農林水産省は和食がユネスコ無形文化遺産に登録された報道記事のなかで、和食の特徴を、多様で新鮮な食材とその持ち味の
↑明治天皇の午餐会の料理の再現模型/1887(明治20)年5月13日、明治天皇が海外からの賓客をもてなした午餐会の料理。「天皇の料理番」として知られる秋山徳蔵が収集したメニューカードをもとに再現された。明治記念館蔵
尊重、健康的な食生活を支える栄養バランス、自然の美しさや季節の移ろいの表現、正月などの年中行事との密接な関わりと解説している。
南北に長く山河や平地が連なり、四季が明確な日本は多様な自然を持ち、食文化もこうした自然に寄り添うように育まれてきた。その中で仏教伝来による肉食棄捐や、明治時代の文明開化を
きっかけとする洋食の広まりもあった。
本展は、和食を軸に日本の豊かな環境とそこに暮らす人びとの営みを考察する特別展。見どころは(1)体感!「和食食材図鑑」 (2)和食の歴史 (3)未来の和食 (4)映像で楽しむ和食 の4章で構成される。
“体感!「和食食材図鑑」”では、料理の基本である水、山菜、キノコ、野菜、魚 介など250点以上の実物標本やリアルな複製、映像を使って科学的な視点で身近な食材を解説する。
“和食の歴史”では、3世紀前半ごろの卑弥呼の食卓の再現や飛鳥時代から明治時代まで続いた肉食禁止令、江戸のグルメ、明治時代以降に広まった洋食、戦後の食生活の変化などを料理の再現模型や歴史資料を通して縦覧。
↑江戸は単身男性の比率が大変高い町で、すし、天ぷら、そばなど、安価で手軽に食べられる屋台が多く並び、彼らの食生活を支えた江戸時代の屋台の再現(イメージ)。背景画像:「東都名所高輪二十六夜待遊興之図」(部分)東京都江戸東京博物館蔵
“未来の和食”では、これからの食糧資源の確保や宇宙食はどうなるのかといった和食の未来に向けた最新情報を、“映像で楽しむ和食”では、和食の繊細な技や四季の表現などを大画面の高精細映像で紹介しながらインタラクティブ・アートも採用した和食の世界を触れて楽しむ内容である。
和食の多様な性格を生物学や農学、水産学、発酵学、そのほかの科学的分野と文理融合から捉える画期的な試み。国立科学博物館ならではの持ち味を十二分に生かした特別展となった。
*文部科学大臣からの要請を受け、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国立科学博物館、筑波実験植物園及び附属自然教育園は2月29日(土)から3月15日(日)まで、臨時休館(園)します。(3月16日(月)も通常通り休館(園))
2月29日(土)~3月15日(日)まで、臨時休館しています。
『特別展 和食 ~日本の自然、人々の知恵』 国立科学博物館(台東区・上野公園) 会期:2020年3月14日(土)~6月14日(日)  会場:国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20) 開館時間:9:00~17:00(金・土曜は~20:00)※4月26日(日)、29日(水・祝日)、5月3日(日・祝日)~5日(火・祝日)は~20:00。4月27日(月)・28日(火)・30日(木)、5月6日(水・休日)は~18:00。入場は閉館の30分前まで 休館日:毎週月曜と5月7日(木)・19日(火)※ただし3月30日(月)、4月27日(月)、5月4日(月・祝日)・18日(月)、6月8日(月)は開館 ※開館時間や休館日等は変更になる場合あり 入館料:一般・大学生1700円(1500円) 小・中・高校生600円(500円)※未就学児童は無料 当日に限り常設展も観覧可能( )内は前売券料金。前売券は3月13日(金)まで販売 当日割引券:平日アフター3券(平日のみ 15:00以降会場で販売) 一般・大学生1500円 小・中・高校生500円 小・中・高校生グループ券(会場で当日販売。2名以上同時入場限定)1名につき500円 割引:障がい者手帳のある方とその付き添いの方1名は無料(入場の際、障がい者手帳要提示) 交通:JR上野駅公園口から徒歩5分、京成電鉄京成上野駅正面口から徒歩10分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口から徒歩10分 問合せ:☎03-5777-8600(ハローダイヤル)展覧会公式ホームページ:https://washoku2020.jp/ 国立科学博物館ホームページ:http://www.kahaku.go.jp 主催:国立科学博物館、朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション、文化庁、日本芸術文化振興会 後援:観光庁、農林水産省、内閣府知的財産戦略推進事務局、和食文化学会、和食文化国民会議 協賛:キッコーマン、JR東日本、大和証券、凸版印刷、日本コカ・コーラ、三井物産 特別協力:JAグループ、JF全漁連 制作協力:IMAGICA GROUP、P.I.C.S. 協力:クックパッド