3月14日~5月21日
すみだ北斎美術館
企画展
北斎バードパーク
北斎の花鳥画は、江戸期の錦絵の花鳥画のジャンルの確立に一役買ったと評価されている
葛飾北斎のゆかりの地、墨田区でこの世界的なこの画家を区民の誇りとして北斎と北斎及び門人の作品を紹介しているのが『すみだ北斎美術館』。今回の展覧会のテーマは、北斎が描いた鳥にスポットを当てた《北斎バードパーク》。 日本人には古来より鳥を愛でる心のルーツが深くあり、万葉集や絵画などにも多く鳥が詠われ、描かれてきた。葛飾北斎にも鳥を描いた作品が多く残っており、その優れた描写は人物画、風景画とともに評価が高い。江戸期の錦絵の花鳥画のジャンルの確立に一役買ったと評価されている。 また北斎の活躍した江戸時代の市井では、鳥を飼育したり鳥を見るという鳥ブームが巻き起こっている。孔雀茶屋や花鳥茶屋といった珍しい鳥が見られる今でいうなら動物園のバードパークやフクロウカフェがあり、江戸の人々も鳥を見に出かけていた
という。
本展では、バードパークで鳥を観察するように北斎とその一門の画家たちが描いた鳥や鳥の意匠を展観し、作品の美しさ、技巧のすばらしさを感じよう
↑『竜田川に紅葉』を再現した作品
というもの。構成は第1章 バードウォッチング、第2章 鳥グッズ、第3章 舞台装置としての鳥。特に絵画のなかで鳥たちをさりげなく背景や小道具としての役割を与えて描いていることにも注目し、描かれた鳥が象徴する季節感や場所、人物との関わりや人物の心情などを読み解いている。紹介されているのは前期・後期併せて66種の鳥の種類で、特にあまり知られていない鳥や特に注目したい鳥をパネルで紹介。北斎の生きた江戸時代の人々が、どのような鳥をどのように目にしていたかがよくわかる。注目は、北斎が将軍の前で生きた鶏を使って行ったパフォーマンス『竜田川に紅葉』。それを再現した作品やVTRの展示されている。長く継いだ紙に刷毛で薄く青い川を描き、鶏の足に赤い絵の具をつけて、その紙の上を自由に歩かせ、足跡を紅葉に見立てるというもの。斬新でクリエイティブな北斎の発想力が再認識される。
『
企画展北斎バードパーク
』
すみだ北斎美術館
(墨田区・亀沢) 会期:2023年3月14日(火)~5月21日(日)※前後期で一部展示替えを予定 前期:3月14日(火)~4月16日(日) 後期:4月18日(火)~5月21日(日) 休館日:毎週月曜日 会場:3階企画展示室 観覧料:一般1000円 高校生・大学生700円 65歳以上700円 中学生300円 障がい者300円 小学生以下無料 ※団体でのご来館は当面の間受付なし。※中学生、高校生、大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証要提示。65歳以上の方は年齢を証明できるもの要提示。※身体障がい者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、被爆者健康手帳など所持の方及びその付添の方1名まで障がい者料金で観覧可 入館の際、身体障がい者手帳などの提示が必要 ※観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)、常設展プラスも観覧可 美術館公式サイト:
https://hokusai-museum.jp/