↑ヨハネス・フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女性》1670-72年頃 油彩・カンヴァス 51.5×45.5cm ©The National Gallery,London. Salting Bequest,1910
※国立西洋美術館での入場券の販売はありません。必ずご来場前にスマチケ、読売新聞オンラインチケットストア、イープラス、ファミリーマート店頭Famiポートでご購入ください。また、東京展は「日時指定制」になっています。
この春、イギリスのロンドン・ナショナル・ギャラリーから数多くの名画がやってくる。ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、ロンドンの中心部チャリング・クロス駅に近いエリアにある噴水とブロンズのライオンとネルソン提督の像で有名なトラファルガー広場に面して建つ国立の美術館だ。ここは13世紀半ばから20世紀初頭までの所蔵作品約2300点を一般公開している。その所蔵作品群は、国別にみるとイタリア、スペイン、オランダ、フランドル、フランスの絵画だが、欧州各国で多く見られるような王室コレクションではない。そもそもこの美術館の成り立ちは1824年、国民の代表である議会によって設立された『市民による市民のための美術館』だ。欧州ではあまり例を見ない美術館で、所蔵品の基礎となった
↑ロンドン・ナショナル・ギャラリー外観
↓ロンドン・ナショナル・ギャラリー内観 上下ともにphoto: Phil Sayer, ©The National Gallery, London
設立当初や初期の所蔵作品は、銀行家アンガースタインからの38点の絵画作品をはじめ、寄付によるコレクションと代々の館長たちの購入によるといわれる。ここに収蔵さ
→アンソニー・ヴァン・ダイク 《レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー》 1635年頃 油彩・カンヴァス 132.1×149cm ©The National Gallery, London.Bought,1977

↓フィンセント・ファン・ゴッホ 《ひまわり》1888年 油彩・カンヴァス 92.1× 73cm©The National Gallery, London. Bought, Courtauld Fund, 1924
れた作品は、富裕層や芸術家にだけでなく、広く庶民に公開され、現在も特別な企画展示以外は入館は無料、維持管理の費用の一部を寄付で賄うため、寄付を募る箱が入り口他展示室数カ所に置かれている。世界中から名画を見るために美術館を訪れた客の寄付で透明の寄付金箱には世界中のお札やコインが入れられている。その中には、日本人からの寄付であろう一万円札や 五千円札も多く見られる。
本展覧会で紹介される

↑バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《窓枠に身を乗り出した農民の少年》1675-80年頃 油彩・カンヴァス 52×38.5cm ©The National Gallery, London Presented by M.M.Zachary,1826

→ピエール=オーギュスト・ルノワール《劇場にて(初めてのお出かけ)》1876-77年 油彩・カンヴァス 65×49.5cm ©The National Gallery, London. Bought, Courtauld Fund, 1923
作品は、このロンドン・ナショナル・ギャラリーコレクションの中からウッチェロ、ボッティチェッリ、ティツィアーノ、レンブラント、フェルメール、ベラスケス、ムリーリョ、プッサンなど18世紀からから日本でもファンが多い19世紀初頭の印象派のルノワールやセザンヌ、ドガなどを含む欧州画家の傑作に英国を代表する画家ターナー、コンスタブルの作品が含まれた61点。
展覧会は、第1章から第7章で構成され、『イギリスとヨーロッパの交流』をキーワードに西洋絵画史を考証し、紹介する。まず、同館のコレクションの中核をなす分野から選ばれたフィレンツェ、ローマ、ヴェネツィア絵画で構成された第1章「イタリア・ルネサンス絵画の収集」、第2章は「オランダ絵画の黄金時代」、19世紀に再評価され、同館が収集した16世紀の絵画、文字通りオランダの黄金期といわれる作品群である。第3章は、フランドルの画家ヴァン・ダイクと18世紀イギリス人画家たちの肖像画の比較考証した「ヴァン・ダイクとイギリス肖像画」、第4章「グランド・ツアー」では、イギリス上流階級の子弟の修学旅行、「グランド・ツアー」を紹介し、イタリアから持ち帰られた風景画家カナレットなどの都市風景画を紹介する。
↑クロード・モネ《睡蓮の池》1899年
油彩・カンヴァス 88.3×93.1cm
©The National Gallery, London. Bought, 1927

↑ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》1829年 油彩・カンヴァス132.5× 203cm ©The National Gallery, London. Turner Bequest, 1856
第5章は「スペイン絵画の発見」、スペイン絵画を再評価したのは19世紀のイギリスである!と証明。
続く第6章「風景画とピクチャレスク」では不規則で荒々しい絵のような美を意味するピクチャレスクを尊ぶ風潮をコンスタブルやターナーの作品 で紹介する。最後の第7章では、
19世紀フランスで進んだ近代絵画の改革がイギリスに与えた影響を新古典主義のアングルから印象派の画家たちへの流れで検証した「イギリスにおけるフランス近代美術受容」。各章で欧州絵画を網羅し、丁寧な解説で絵画ファンにはいうまでもなく、絵はわからないという人にも鑑賞しやすい構成だ。
開館以来、大量の所蔵作品の国外貸し出しには極めて慎重なロンドン・ナショナル・ギャラリー。ほぼ200年の歴史の中でこのように大掛かりでまとまった数の所蔵作品が国外で公開展示されるのは初めてのこと。日本では数多くのファンがいるフェルメール最晩年の作《ヴァージナルの前に座る若い女性》とゴッホの《ひまわり》、レンブラントの《34歳の自画像》を含む61点はいずれもロンドン・ナショナル・ギャラリーが誇る作品で日本では初公開。質、量ともに高く、庶民へ公開という設立当初の美術館の姿勢や収集の経緯など、世界に君臨していた大英帝国の国力も窺える展覧会だ。「市民のための市民の美術館」は日本でも多くの人々へと公開され、東京での公開後は大阪へと巡回する。
『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』国立西洋美術館(台東区・上野公園) 会期:2020年6月18日(火)~2020年6月14日(日) 開館時間:9:30~17:30 毎週金・土曜日:9:30~20:00 ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月曜日 ※3月30日(月)、5月4日(月・祝)は開館 観覧料金:当日:一般1700円、大学生1100円、高校生700円 前売/団体:一般1500円、大学生1000円、高校生600円※上記前売券は~2020 年3月2日(月)まで販売。※国立西洋美術館では開館日のみ、~2020年3月1日(日)まで販売 ※2020年3月3日(火)からは当日券販売。※団体料金は20名以上。※中学生以下は無料。※心身に障害のある方および付添者1名は無料(入館の際に要障害者手帳提示) アクセス:JR上野駅下車(公園口)徒歩1分 京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅下車 徒歩8分※駐車場なし 主催:国立西洋美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、読売新聞社、日本テレビ放送網 特別協賛:キヤノン、大和証券グループ 協賛:花王、損保ジャパン日本興亜、大日本印刷、トヨタ自動車、三井物産 協力:大塚国際美術館、日本航空、ブリティッシュ・カウンシル、西洋美術振興財団 巡回:国立国際美術館 2020年7月7日(火)~10月18日(日)お問い合わせ:☎03-5777-8600(ハローダイヤル) 展覧会特設サイト:https://artexhibition.jp/london2020/