
→オーブリー・ビアズリー《「キーノーツ叢書」の宣伝ポスター》1966年
↓オーブリー・ビアズリー《孔雀の裳裾》1907年、いずれもヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London

19世紀末、英国の美術と文学はエキサイティングでスキャンダラスな耽美主義に見舞われた。官能性に頽廃、幻視と妄想、エロティシズムとグロテスク…あたかもユイスマンスの小説『さかしま』の世界を実現したかのような美の潮流が英国に出現したのである。その旗手がオーブリー・ビアズリーと仲間たちだった。オーブリー・ビアズリーは、1872年英国海峡に面した海浜保養地ブライトンに生まれた。


↓オーブリー・ビアズリー《サロメの化粧Ⅱ》1907年 すべてヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London

その後、1895年オスカー・ワイルドが同性愛的性癖を原因とする訴訟でクインズベリ侯に敗訴すると、その余波でビアズリーも職を失ってしまった。その後ティフィール・ゴーティエ著『モーパン嬢』(1898)の挿絵などで新境地を開いたが持病の結核が悪化し、1898年南フランスのマントンで死去。25歳の若さだった。
本展はビアズリーのコレクションでは世界でも指折りといわれるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)の全面協力により実現した。V&Aからは150点が来日。展示は初期から晩年までの挿絵や彩色されたポスター、貴重な直筆の素描50点も含め約220点が集結。画業10年、享年25歳。早すぎる死すら神話のようになりつつあるビアズリーの大回顧展である。
『さかしま』(仏: À rebours):フランスの作家ジョリス=カルル・ユイスマンスによる小説。1884年に刊行され、象徴主義、デカダンスを代表する作品として、モーリス・メーテルリンク、ポール・ヴァレリーなどに影響を与えた。「さかしま」は「逆さま」「道理にそむくこと」といった意味(英訳では"Against the Grain"または"Against Nature")。「デカダンスの聖書」とも評される。ウィキペディアより
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『異端の奇才――ビアズリー展』三菱一号館美術館(千代田区・丸の内) 会期:2025年2月15日(土)~5月11日(日) 会場:三菱一号館美術館(東京都千代田区丸の内2-6-2)開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)※祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜、4月5日は20:00まで※併せて小企画展『江戸から東京へ(仮称)』も観覧可 休館日:月曜休館 ※ただし[トークフリーデー:2月24日・3月31日・4月28日]、5月5日は開館 観覧料:一般2300円 大学生1300円 高校生1000円 小・中学生無料※この展覧会は日時指定予約は不要 ※障がい者手帳をお持ちの方は半額、付添の方は1名まで無料 お得なチケットと割引:オンライン販売:平日限定チケット:1900円※2月18日(火)~3月14日(金)の平日利用可能・ビアズリー偏愛パス:5000円※1名様のみ会期中何度でも利用可能 ●チケット窓口:毎月第2水曜日「マジックアワーチケット」:1600円※当日の17:00以降にチケット窓口でのみ販売 ※詳しくは三菱一号館美術館Webサイトで。交通:JR東京駅丸の内南口から徒歩5分/JR有楽町駅国際フォーラム口から徒歩6分/東京メトロ千代田線二重橋前駅1番出口から徒歩3分/東京メトロ有楽町線有楽町駅D3・D5出口から徒歩6分/東京メトロ丸ノ内線東京駅から地下通路直結で徒歩6分/都営地下鉄三田線日比谷駅B7出口から徒歩3分 問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル) 展覧会サイト:https://mimt.jp/ex/beardsley/ 美術館サイト:https://mimt.jp/ 主催:三菱一号館美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、朝日新聞社 後援:ブリティッシュ・カウンシル 協賛:DNP大日本印刷 協力:日本航空