
↑《郵便配達夫》1928年、大阪中之島美術館
→《モランの寺》1928年、東京国立近代美術館
→《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》1927年、大阪中之島美術館
↓《コルドヌリ(靴屋)》1925年、石橋財団アーティゾン美術館

→《ガス灯と広告》1927年、東京国立近代美術館

↑《下落合風景》1926年頃、和歌山県立近代美術館
明治の開国以来、日本人画家でパリを目指し、パリに憧れた画家は多い。およそ100年前に大阪から東京へそしてパリへと渡り、パリを描き若くして亡くなった天才画家がいた。佐伯祐三、数々のエピソードから『伝説の画家』と称されパリの街角、石造りの街をユトリロを彷彿させる
独特のタッチで描いた風景画、自画像など貴重な作品群は今も見る人を惹きつけてやまない。
本展は、東京では18年ぶりとなる本格的な佐伯祐三の回顧展であり、佐伯祐三コレクションとしては国内最大を誇る大阪中之島美術館所蔵の作品群を中心に、全国の美術館と個人所蔵からの作品で構成されている。
佐伯祐三は1898年、大阪生まれ、25歳で現在の東京藝術大学の前身の東京美術学校に入学。上京時から美術学校・西洋画科時代まで、やはり日本を代表する洋画家のひとり藤島武二に師事している。卒業直後の作風は
自画像ほか

↑《煉瓦焼》1928年大阪中之島美術館

↑《立てる自画像》1924年、大阪中之島美術館
パリ印象派風の穏やかなものであって、画家を代表するパリ時代の作風とは異なる。1924年の最初のパリ滞在中、作品を携えてフォーヴィズムの画家ブラマンクを訪れたが、「このアカデミックめ!」とたちまち一蹴され、大変なショックを受けたという。その後、度々ブラマンクを訪れたり、ユトリロやゴッホなどパリの画家た
ちとも交流も持ち、その影響そ受けて作風は徐々に荒々しいタッチに変わる。パリの街並み、街角のカフェ、ポスターが貼られた建物の壁、プラタナスの並木道、教会、さらには公然便所までもが題材となって傑作が生まれた。佐伯雄三の代表作の多くはこの4年余り、二度のパリ滞在中に描かれている。一方で、生誕の地・大阪、学生時代と一時帰国時代を過ごした東京も佐伯の画業を育んだ重要な街であった。
本展では、佐伯が描いた「東京」「大阪」「パリ」の3つの街に注目し、画家が自らの表現を獲得する過程を展観する。1928年、夭逝した画家佐伯祐三が病をおして、死への恐怖におののきながら描き切った自身が生きる街。改めてその思いが感じられる展覧会である。
『佐伯祐三 自画像としての風景』(千代田区・丸の内)会期:2023年1月21日(土)~4月2日(日)会場:東京ステーションギャラリー 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 丸の内北口 改札前 開館時間:10:00~18:00(金曜日~20:00)※入館は閉館の30分前まで 休館日:月曜日(3月27日は開館) 入館料:一般1400円 高校・大学生1200円 中学生以下無料※障がい者手帳等持参の方は100円引き(介添者1名は無料)※学生の方はご入館の際、生徒手帳・学生証をご提示ください
チケット(日時指定券)購入はこちら:https://www.e-tix.jp/ejrcf_gallery/ 美術館より:※展示室内の混雑を避けるため各時間で入館人数の上限を設定しています。※館内でも当日券をご購入できますが土日祝など混雑する時間帯は入館をお断りする場合があります。※無料に該当する方や招待券/招待ハガキをお持ちの方は直接美術館へお越しください(予約等不要)※サービス券や会員証のご提示で割引をご希望の方は、美術館で当日券をご購入ください。ただし混雑時は入館をお待ちいただく場合があります。
主催:東京ステーションギャラリー(公益財団法人東日本鉄道文化財団)、読売新聞社 お問合せ:03-3212-2485 公式サイト:https://saeki2023.jp/